本園は、創立者内海暢子が設立趣意書に記した理念に基づき、「素直な人格の形成」を教育目標(根本理念)と定めます。

 

素直な人格とは、一人ひとりのありのままの個性(自分らしさや可能性)が生きいきと現れた人間性のことです。 本園の教諭は、一人ひとりの園児の個性を繊細に感じとり、その内側から芽生えてくる個性を支え、育てようとします。 そして、子どもたちがやがては、創立者が願ったように、「円満な人格をもって、社会と協調して行ける」ようになることを目指します。 その意味で、創立者は幼稚園を「畑」にたとえ、幼児教育とは一人ひとりの子どもを育てるための「精神的栄養」であると述べたのです。

 

幼稚園という畑には、豊かな自然という環境と、子どもたちを取り巻く人的な環境があります。自然環境については、幼稚園では、ひなまつり、端午の節句、七夕、運動会、クリスマス等々の行事を柱として、季節の移り変わりとともに変化する自然の姿に子どもたちが触れられるように配慮します。

 

人的な環境は、子どもたちを受け持つ教諭のあり方、教職員同士の人間関係、幼稚園と保護者の信頼関係によって形成されます。 特に幼児期には、子どもの周囲の人間関係のなかに、愛と信頼が満ちていることが重要です。 それが現代の社会や家庭のなかで困難になってきているからこそ、幼稚園では意識的に十分なコミュニケーションを図り、相互理解を通して、温かい信頼に満ちた職場、そして保護者との信頼関係を培っていくように努力します。

 

この点をすべての教職員、そして保護者の皆様にも理解していただき、教職員による毎日の連絡会、週一回の全体会議、さらには父母会の会議を通して、つねによりよい人的環境の形成に努めます。

 

「素直な人格」を形成するためには、子どもの前に立つ大人自身が「素直」でなければなりません。 つまり、一人ひとりの大人が自分らしく、生きいきと働き、生活していることが前提になります。 自分自身の個性を大切にすることができたとき、一人ひとりの子どもの個性を感じ取り、大切にすることができます。 その意味で、本園ではすべての教職員が自分自身の考えや気持ちを素直に表し、お互いを認め合うことを大切にしています。

 

また、教員は定期的な園内研修を通して、子どもについて、そして子どもの発達についての理解を深めていきます。 それは知識を増やすためではなく、子どもを見る眼を養い、自分の保育に対してその一つひとつの活動の意味を理解し、教諭自身の個性にもとづく保育を責任をもって行なえるようにするためです。 その意味で、本園では、教職員自身がつねに学び、成長する姿勢を保つことを大切にしています。