ムーブメントとしてのシュタイナー【終了】

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国際理解、地球市民、環境をめぐるシュタイナー教育&人智学の取り組み

とき:7月29日(土)14:00~18:00 
ところ:東海大学湘南キャンパス11号館3階307教室
主催: 学法法人那須内海学園 那須みふじ幼稚園
共催: NPO法人創造の森、ぽっこわぱ耕文舎、東海大学国際学部、NPO法人横浜シュタイナー学園、東京賢治シュタイナー学校

協力:学校法人シュタイナー学園

後援:コリスコ・グループ、マリア支部、四国アントロポゾフィークライス、アントロポゾフィーネットワーク、藤野ソフィアグループ、一般社団法人日本シュタイナー幼児教育協会

プログラム(受付: 13:00)

導入: 「シュタイナーの人権思想と入管法、LGBTQ、優生保護法」入間カイ(14:00 – 14:20)

第1部「学校の取り組み」(14:20 – 15:40)

1.「国際理解・多文化教育」小貫大輔(東海大学国際学部教授)

2.「シュタイナー学校が目指す性教育」村上典子(学校法人シュタイナー学園養護/アントロポゾフィー看護SP)

3.「地球市民教育」佐藤雅史(日本シュタイナー学校協会事務局)

4.「この時代にあってのシュタイナー学校の意味」小澤周平、鴻巣理香(東京シュタイナー賢治の学校4年及び6年担任)

<休憩>

第2部「ムーブメントへのまなざし」(16:10 – 16:50)

5.「医学と教育」安達晴己(内科医、一般社団法人日本アントロポゾフィー医学の医師会代表)

6.「農業と環境にみる多様性と画一性」假野祥子(ぽっこわぱ耕文舎、農家、Zoom参加)

<休憩>

第3部「プレーナム」(17:00 – 18:00)

7. 「ムーブメントとしてのシュタイナー〜課題と展望〜

スピーカーと会場の参加者とともに話し合い

録画視聴のお申し込み

イベントは終了しましたが、録画の視聴をご希望の方は下記フォームよりお申し込みください。

https://forms.gle/xiEdPZZCprWuVeyLA

自分自身を認識しようと思うなら
世界のあらゆる方角を見るがいい。
世界を認識しようと思うなら、
自分自身の深みをのぞき込むがいい。
ルドルフ・シュタイナー
自分自身を認識しようと思うなら
世界のあらゆる方角を見るがいい。
世界を認識しようと思うなら、
自分自身の深みをのぞき込むがいい。

ルドルフ・シュタイナー

今、何を目指して力を合わせるのか?

現在、世界にはシュタイナーの思想に基づく幼稚園や学校、農場や銀行、アーティストの活動など多様な「ムーブメント」の広がりがあり、日本でも50年以上前から各分野でシュタイナーの考え方が紹介され、実践されてきました。でも、そのエッセンスは何なのでしょうか? 異なる分野で活動する人々が、共通して目指していることがあるのでしょうか?

以前、研究者の西平直さんは『シュタイナー入門』(講談社新書)に「その学校は歓迎され、その思想は敬遠される」と記して話題になりました。藤原辰史さんは『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)で、バイオダイナミック農法がもつ閉鎖性を指摘しました。シュタイナー幼稚園についても、「幼児期の子どもを守る《覆い》を強調するあまり、外の世界から切り離しているのではないか」と言われることがあります。これらの批評は的を得ている部分と、そこからこぼれ落ちている部分があると思います。

シュタイナーを批判する人たちが共通して見逃しているのは、シュタイナーに発するムーブメントはどんな価値観を持ち、何を目指しているのかということです。本来の議論はそういった核心に向けられるべきでしょう。同時に、日本が入管法やLGBT理解増進法をめぐる展開、ジェンダーギャップ指数が過去最下位の125位といった状況を通してその息をのむような「閉鎖性」を露呈している今、シュタイナーの思想に関わる私たちが目指していること、共有している価値観を確認する機会が必要なのではないかと考えました。

シュタイナー思想の中心には、乳幼児期の子どもの内から現れる「歩く、話す、考える」という衝動は、一人ひとりの人間の「主体性」(思考・感情・意志)の基盤であり、それは身体(神経感覚系・呼吸/循環器系・代謝系)、社会(文化・法律・経済)、さらには植物(根・葉・花)の三分節を通して地球全体につながっているという見方があります。これはシュタイナーに関わる人々が、社会のさまざまな市民活動と連帯し、共に答えを探り、行動するための価値観にもなりうるのではないでしょうか?

那須みふじ幼稚園は、おそらく日本で最初にシュタイナー教育を導入し、ドイツのシュタイナー幼稚園協会の加盟園になりました。これまでの経緯の中で、一人ひとりの保育者の自立と地域社会との連携を優先するために、「シュタイナー幼稚園」という名称を外して現在にいたっています。その後、原発事故による放射線汚染で東京電力との「裁判外紛争解決手続(ADR)」に取り組んだ経験、「子ども子育て新制度」の施行後の行政の方々との話し合いを通して、ユネスコスクールの三つの柱である持続可能な開発、異文化学習、地球市民教育の重要性を強く意識するようになりました。何よりも「人の心に平和の砦を築く」というユネスコの理念が、私たちの理解するシュタイナーの理念と重なったことから、この度、ユネスコスクールへの加盟申請を行いました。そのような経緯もあり、第4回ユネスコスクール関東ブロック大会の前日に、このような企画を提案させていただいた次第です。

「新しい戦前」と言われる今だからこそ、共通の関心を持つ方々と心を開いて、語り合いたいと思います。お気軽にご参加いただければ、とても嬉しく存じます。

学校法人那須内海学園
那須みふじ幼稚園
理事長・園長 高橋明男